
朝、目が覚めた瞬間に体が動かない。
首も肩も腰も固まっていて、布団から起き上がるだけで一苦労。
なのに不思議と、20〜30分も動いていると楽になっている。
f「血流・筋肉タイプ」の朝起きると体が固まっている原因5
その繰り返しに、もう慣れてしまっていませんか?
「疲れがたまっているだけ」
「歳のせいだから仕方ない」
そう自分に言い聞かせてきた方に、一つだけ伝えさせてください。
朝起きると体が固まっている原因は疲れでも加齢でもない可能性があります。
実は、ストレッチや運動習慣を変えても改善しない人の多くが、ある「見落とし」をしています。
この記事では、朝に体が固まる本当の原因と、今夜から試せる具体的な改善策をお伝えします。
朝起きると体が固まっている・バキバキになるのはなぜか?

朝起きると体が固まっている現象は、睡眠中に起こる血流の停滞と筋肉の硬直が主な原因です。
「朝だけ」という特徴は異常のサインではなく、原因を見分けるための重要な情報になります。
このセクションでは、
なぜ睡眠中に体が固まるのか?
なぜ動けば楽になるのか?
そして
「朝だけ」という限定性がなぜ診断的に意味を持つのか?
を順に解説します。
①睡眠中に体で起きていること
睡眠中に体が固まるのは、長時間同じ姿勢を続けることで血流とリンパの流れが滞るためです。
筋肉や関節周囲の組織への酸素・栄養供給が一時的に低下し、朝起きたときに硬直した感覚が生まれます。
これは医学的に「虚血性筋硬直」と呼ばれる状態で、健康な人にも起こりうる生理的な反応です。
「固まる=何か悪い病気」ではなく、まず体の仕組みとして理解することが正確な判断の出発点になります。
特に影響を受けやすいのは、首・肩・腰・股関節といった関節周囲の組織です。
これらの部位は筋肉量が多く、長時間の血流低下で硬直しやすい特徴があります。
加えて、関節包(関節を包む袋状の組織)の中にある滑液(関節の動きを滑らかにする液体)は、長時間静止した状態では循環が低下します。
これが朝の「動き始めがぎこちない」感覚の直接的な原因のひとつです。
さらに、体温という視点も重要です。
睡眠中は深部体温が低下しており、筋肉や結合組織の粘弾性(伸び縮みのしやすさ)も低くなっています。
起床直後の体は文字通り「冷えて固まった」状態にあり、これが動き始めの重さとして感じられます。
この体温の観点から見ても、朝の固まりは「異常」ではなく「生理的な現象」であると理解できます。
②「動けば楽になる」が重要なサインである理由
動き始めると体が楽になるのは、関節液が循環し、筋肉への血流が回復するためです。
関節液は関節の動きによって産生・循環が促進されるため、体を動かすことで潤滑性が回復し、硬直感が和らぎます。
この「動けば改善する」というパターンは、原因の種類を見分ける上で非常に重要な手がかりになります。
後述しますが、1時間以上こわばりが続く場合は関節リウマチなど別の原因が疑われます。
一方、動けばすぐに楽になるなら、血流や筋肉の問題が主因である可能性が高く、生活習慣や睡眠環境の改善で対処できる余地があります。
「動けばすぐ楽になるかどうか?」
「どれくらいで楽になるか?」
という2点が、自分の状態を判断する最初のチェックポイントです。
また、「楽になるまでの時間」も重要な情報です。
10分以内に楽になるなら軽度の血流停滞、
30分程度なら筋緊張や睡眠環境の影響が強い
可能性があります。
1時間近くかかる場合は、タイプBへの移行を疑って後述のチェックリストを確認してください。
毎朝の固まりを「ただのクセ」と流さず、この時間の視点で観察してみてください。
③「朝だけ固まる人」と「一日中つらい人」の違い
「朝だけ体が固まる」と「一日中つらい」では、原因が大きく異なります。
朝だけという場合は睡眠中の血流停滞や姿勢の問題が主因であることが多いです。
日中も継続してつらい場合は慢性的な炎症・神経への圧迫・筋肉の器質的な変化が関与している可能性があります。
整形外科の臨床現場でも、症状の出るタイミングと持続時間は診断の重要な判断軸として使われています。
「朝だけ体が固まる」という特徴は、言い換えれば「夜間の静止状態が原因になっている」という仮説を強く支持するデータです。
これは同時に「睡眠環境や睡眠前後の行動を変えることで改善できる可能性がある」ということでもあります。
日中に症状がないということは、体そのものの機能は保たれているサインでもあり、前向きな情報として捉えることができます。
さらに、「朝だけ」という特徴は、日中の活動や姿勢の影響が翌朝に現れているという可能性も示唆します。
前日に長時間デスクワークをした翌朝は特にきつい、という経験がある方はこのパターンに該当します。
「朝だけ」という自覚がある方は、その特徴を悲観的に捉えるのではなく、改善のための手がかりとして活用してください。
朝起きると体が固まっている人の3つのタイプ

朝の体の固まりは、大きく3つのタイプに分類できます。
この3つのタイプによって対処法と受診の必要性がまったく異なるため、まず自分がどのタイプかを確認することが最優先です。
「全員に同じ原因・同じ対処法」という前提で書かれた記事が多い中、このセクションでは症状の特徴をもとに自己分類できる基準を示します。
動けば10〜30分で楽になる「血流・筋肉タイプ」
起き上がって10〜30分動いていると楽になるなら、タイプA(血流・筋肉タイプ)に該当する可能性が高いです。
睡眠中の血流停滞・筋緊張の蓄積・睡眠環境の不適合が主な原因であり、生活習慣の見直しやセルフケアで改善できる可能性があります。
朝のバキバキ感・体の固まりで検索する方の多くはこのタイプに当てはまります。
「血流・筋肉タイプ」の特徴は
「全身的な重さや固まり感」
「動いていると徐々に楽になる」
「発熱や関節の腫れがない」
という3点です。
年代に関係なく発生しますが、デスクワーク中心の生活・運動習慣のなさ・睡眠の質の低下が重なる40〜50代に多く見られます。
ただし、「血流・筋肉タイプ」でも長期間放置すると筋肉の慢性的な緊張・血流不全が定着しやすくなるため、「どうせまた楽になるから」と繰り返し放置することは避けてください。
1時間以上こわばりが続く「要受診タイプ」
こわばりが1時間以上続く場合は、関節リウマチや強直性脊椎炎(脊椎に炎症が起きる疾患)の可能性を考える必要があります。
関節リウマチの診断基準のひとつに「朝のこわばりが1時間以上続く」という項目があり(日本リウマチ学会、2010年改訂基準)、この持続時間が受診判断の明確なラインです。
関節リウマチは日本国内の患者数が約70〜80万人とされており、決して珍しい疾患ではありません。
30〜50代の女性に多いとされますが、男性にも発症します。
「痛みが強くないから大丈夫」という判断は危険で、早期であれば薬物療法によって進行を大幅に抑えられる疾患です。
発症から2年以内の治療開始が予後に大きく影響するとされているため、1時間という目安を超える場合は内科または整形外科(リウマチ科)への受診を検討してください。
首・腰・股関節など特定部位だけ激しい「局所タイプ」
特定の部位だけに強い固まりや痛みがある場合は、その部位に応じた局所的な問題が疑われます。
腰なら椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、
股関節なら変形性股関節症、
首なら頚椎症や頚椎椎間板ヘルニア
が背景にある可能性があります。
「血流・筋肉タイプ」と異なる点は「全身ではなく特定の一点に痛みや固まりが集中していること」「体を動かしても完全には楽にならないことがあること」です。
このタイプは放置すると神経症状(手足のしびれ・脱力・歩行障害)に進行するケースもあるため、特定部位への継続的な痛みがある場合は整形外科での画像診断(レントゲン・MRI)を受けることをおすすめします。
「朝だけ痛い」「動けばましになる」という特徴があっても、部位の限局性と痛みの強さに着目して判断することが重要です。
迷ったときの判断基準はこの3つ
自分がどのタイプか判断しにくい場合は、以下の3つの軸で確認してください。
- 持続時間
動き始めて30分以内に楽になるか?1時間以上続くか? - 部位
全身的な固まりか、特定の関節・部位に集中しているか? - 進行性
ここ数ヶ月で徐々に悪化しているか、変わらないか?
「1時間以上続く」
「特定関節に集中」
「悪化している」
のいずれかに当てはまる場合は、セルフケアより先に受診を検討する必要があります。
複数当てはまるほど受診の優先度は高くなります。
「自分がどのタイプか分からないまま対処法だけ試す」という状態が、最も遠回りになりやすいパターンであることを覚えておいてください。
「血流・筋肉タイプ」の朝起きると体が固まっている5つの原因

「血流・筋肉タイプ」の朝の固まりは、運動不足だけでは説明できない複数の原因が重なっています。
「毎日ウォーキングしているのに毎朝固まる」
「ストレッチを3ヶ月続けているのに改善しない」
という方は、見落としている原因が別にある可能性が高いです。
このセクションでは5つの原因を具体的に解説します。
寝返りの少なさと血流の停滞
睡眠中の寝返りには、体圧を分散させ血流を維持する重要な役割があります。
成人の理想的な寝返り回数は一晩に20〜30回とされていますが、疲労が強い日や深い眠りが続く状態では寝返りが減少します。
寝返りが少なくなると特定部位への圧迫が長時間続き、血流が滞って朝のバキバキ感につながります。
「よく眠れた日ほど朝がつらい」という経験がある方は、深睡眠による寝返り減少が原因の可能性があります。
また、アルコールを飲んだ翌朝に体が特に重いと感じる方も多いです。
これはアルコールが深睡眠を増やし寝返りを抑制するためです。
「よく眠れた=体が回復した」とは一概に言えない点が、朝の固まりを考える上での見落としのひとつです。
加えて、マットレスが柔らかすぎる場合は体が沈み込んで寝返りがしにくくなるため、寝返り回数がさらに減少します。
「寝返りが少ない」という問題は、睡眠の深さとマットレスの硬さの両方が影響しており、どちらか一方だけを改善しても効果が限定的になることがあります。
マットレス・枕による体圧の偏り
体に合わないマットレスや枕は、睡眠中に特定部位へ継続的な負荷をかけます。
硬すぎるマットレスは肩や腰の突出部に圧力が集中し、柔らかすぎるマットレスは腰が沈んで脊椎がS字カーブを保てなくなります。
この状態が毎晩6〜8時間続くことで、特定部位の筋肉と関節周囲組織に慢性的なストレスがかかります。
日本睡眠科学研究所の調査では、寝具の不適合が腰痛・肩こりの一因になると報告されています。
「何年も同じマットレスを使っている」
「朝、特定の部位だけが特に痛い」
という方は、道具の問題を疑う必要があります。
ストレッチや運動習慣を変える前に、毎晩使う寝具という「土台」を見直すことが根本的な解決につながる場合があります。
マットレスと枕の選び方についてはこの後で詳しく解説します。
日中に蓄積した筋緊張の持ち越し
デスクワークやスマホ操作で生じた首・肩・腰の筋緊張は、就寝後も完全には解除されません。
筋肉が緊張したまま長時間静止すると、筋肉内の血流がさらに低下し、翌朝の固まりを強めます。
特に首・肩まわりの筋緊張は、睡眠中の頭部の重さ(約4〜6kg)と合わさって頚部の筋肉に持続的な負荷をかけます。
「仕事が忙しい時期ほど朝がつらい」という方は、日中の筋緊張の蓄積が翌朝に影響しているパターンです。
夜のストレッチだけでは日中に蓄積した緊張量に追いつかないケースも多く、日中の姿勢リセットと組み合わせて初めて効果が出ます。
特に長時間のオンライン会議後や締め切り前の集中作業後は筋緊張が強くなりやすいため、そのような日の夜は念入りなケアが必要です。
自律神経の乱れと夜間の血流回復不全
睡眠中は副交感神経(体をリラックスさせる神経)が優位になることで、血管が拡張して血流が回復します。
しかしストレスや睡眠の質の低下によって交感神経(体を緊張させる神経)が夜間も活発なままになると、血管が収縮した状態が続き、血流の回復が妨げられます。
・就寝前のスマホ操作
・カフェイン摂取
・強い照明環境
は交感神経を刺激することが多くの研究で示されています。
これらの習慣が睡眠の質を下げます。
睡眠の質の低下は寝返りの減少にもつながるため、悪循環が生まれやすい構造です。
「眠った感じがしない」
「夢をよく見る」
「夜中に何度も目が覚める」
という方は、自律神経の乱れが朝の固まりに関与している可能性があります。
カフェインの半減期は約5〜7時間とされており、午後3時以降のコーヒーが夜間の睡眠に影響を与えているケースも少なくありません。
加齢は「原因のすべて」ではなく「要因の一つ」
加齢によって関節液の主成分であるヒアルロン酸の産生量が減少し、筋肉の柔軟性も低下することは事実です。
40代以降はこの変化が顕著になるため、朝の固まりが強くなる方が増えます。
しかしこれは「だから仕方ない」という結論を意味しません。
同じ年齢でも朝の固まりがほとんどない人は多く、睡眠環境・日中の習慣・自律神経の状態によって改善できる余地は十分あります。
加齢は「背景要因」であり、改善できる他の要因を覆い隠してしまう「諦めの言葉」として使われがちです。
「40代だから仕方ない」
「更年期だから」
という自己診断が、本来対処できる原因への取り組みを何年も遅らせているケースは非常に多くあります。
加齢の影響を認めつつも、変えられる要因に着目することが改善への第一歩です。
「朝起きると体が固まっている「要受診タイプ」の症状別判断ガイド

受診すべきかどうかの判断は、「持続時間・部位・進行性」の3軸で判断できます。
「大げさかな」と思って受診を迷っている方のために、明確な判断ラインを示します。
このセクションでは受診が必要なサイン・セルフケアで対応できる目安・「様子を見る」が許される中間の状態を整理します。
すぐに受診を検討すべき5つのサイン
以下のいずれかに当てはまる場合は、セルフケアより先に受診を検討してください。
- 朝のこわばりが1時間以上続く
- 関節が腫れている、または熱を持っている
- 症状が左右非対称(片側だけ強い)
- ここ数週間〜数ヶ月で明らかに悪化している
- 朝の固まりに加えて発熱・倦怠感・体重減少がある
これらは関節リウマチ・強直性脊椎炎・感染性関節炎などで見られるサインです。
「痛みが我慢できる程度だから」という理由での放置は進行リスクがあります。
特に関節リウマチは早期治療ほど関節破壊を防ぎやすく、発症から2年以内の治療開始が予後に大きく影響するとされています(日本リウマチ学会)。
セルフケアで対処できる状態の目安
以下の特徴がすべて当てはまる場合は、セルフケアから始める判断が合理的です。
- 動き始めて30分以内で楽になる
- 発熱・関節の腫れに左右差がない
- 症状が数ヶ月単位で変化していない(悪化していない)
- 特定の一部位ではなく、全身的な重さ・固まり感がある
この状態であれば、睡眠環境の見直し・日中の姿勢改善・寝る前のセルフケアから取り組む段階です。
ただし「セルフケアで対処できる」は「放置していい」ではありません。積極的に原因を探して対処することが必要です。
「様子を見る」が許されるのはどんな状態か?
「すぐ受診するほどではないが、放置も不安」という中間の状態もあります。
具体的には、
動けば楽になるがやや時間がかかる(30〜60分程度)、
または特定部位への集中はあるが腫れ・発熱がない
場合です。
このケースでは「2〜3週間セルフケアを実践して改善するかを確認する」方法が合理的です。
重要なのは「様子を見る」を「何もしない」にしないことです。
期限を設けて取り組み、2週間で変化がなければ受診する、という自分なりのルールを先に決めておいてください。
漠然と様子を見続けることが、症状を慢性化させる最も多いパターンです。
「血流・筋肉タイプ」向けの朝起きると体が固まるの改善する3つのアプローチ

「血流・筋肉タイプ」の朝の固まりは、
「寝る前」
「眠っている間」
「日中」
の3つの時間軸で対策を組み合わせることで改善できます。
一つだけ取り組んでも効果が限定的になりやすいため、3つのアプローチの全体像を理解した上で優先順位をつけることが重要です。
【寝る前】筋肉の緊張をリセットする習慣
就寝90分前の入浴(38〜40℃のぬるめのお湯に15分程度)は、深部体温を一時的に上げることで就寝時の自然な眠気を促し、睡眠の質を高めます。
シャワーだけで済ませている方は、週に数回でも湯船に浸かる習慣を取り入れることをおすすめします。
寝る前のストレッチは激しく行う必要はなく、各部位30秒程度のゆっくりとした静的ストレッチが効果的です。
特に効果的な3箇所は以下の通りです。
- 股関節
仰向けで片膝を胸に引き寄せて30秒キープ(左右各1回) - 肩甲骨まわり
腕を胸の前でクロスして肩甲骨を開き30秒キープ - 首の側面
頭をゆっくり横に倒して首の側面を伸ばし左右各20秒
就寝前のスマホのブルーライトは交感神経を刺激するため、就寝1時間前を目安に画面から離れることが理想です。
どうしても無理な場合は画面の輝度を最低まで下げるだけでも刺激を減らせます。
眠っている間:体を正しく支える環境をつくる
どれだけ寝る前のケアを丁寧にしても、体に合わないマットレスで寝ている限り、睡眠中に特定部位への負荷が毎晩6〜8時間かかり続けます。
理想的な睡眠環境の3条件は
「体圧分散(脊椎のS字カーブを維持できる適切な硬さ)」
「適度な反発力(スムーズな寝返りを妨げない)」
「枕の適切な高さ(首の自然なカーブを保てる高さ)」
です。
ストレッチや生活習慣を変えても朝の固まりが改善しない方は、睡眠環境が根本原因になっている可能性があります。
この視点については次の「睡眠環境」で詳しく解説します。
日中:緊張を蓄積させない体の使い方

日中の対策の基本は「長時間同一姿勢を避けること」です。
デスクワーク中は1時間に1回、30秒程度の立ち上がりや肩・首まわりのリセット動作を取り入れるだけで、夜間への筋緊張の持ち越しを軽減できます。
タイマーやスマートウォッチのリマインダーを活用することで継続しやすくなります。
水分不足は血液の粘度を上げて血流を低下させるため、1日1.5〜2リットルの水分補給も筋肉の柔軟性維持に関係します。
コーヒーや緑茶など利尿作用のある飲み物を多く摂っている方は、実質的な水分量が不足しているケースがあります。
「夜だけ頑張る」アプローチには構造的な限界があり、日中の習慣が翌朝の状態を大きく左右しています。
朝起きると体が固まっているのが改善しない人が見落としている「睡眠環境」

何を試しても朝の固まりが改善しない場合、最も見落とされやすい原因が「睡眠環境=マットレスと枕の問題」です。
ストレッチや生活習慣から改善を試みるのは自然な順序ですが、道具が体に合っていない状態では根本的な解決になりません。
このセクションでは、
なぜ睡眠環境が見落とされるのか?
体への影響、
セルフチェック、
そして自分に合ったマットレスと枕の選び方
を詳しく解説します。
なぜ睡眠環境は後回しにされるのか
朝の固まりへの対策として、多くの方が「ストレッチ→生活習慣の改善→病院受診」という順番で取り組みます。
「道具を変える」という発想は、自分の体や習慣への対処を一通り試した後でなければ思い至らないのが一般的です。
加えて、マットレスや枕は「まだ使えているから問題ない」と判断されやすく、体への影響が毎晩少しずつ蓄積しているため自覚しにくいという構造的な理由があります。
ヘタりや劣化は外側から見えにくく、「昨日突然壊れた」という形では現れません。
気づかないうちに体への負担が積み重なっているのが、睡眠環境の問題の厄介な点です。
「まだ壊れていないから大丈夫」という判断が、根本原因への気づきを何年も遅らせているケースは珍しくありません。
体に合っていないマットレスが体の固まりを生み出すメカニズム
硬すぎるマットレスは、肩・腰・かかとなど骨格が突出した部位に圧力が集中し、その部位の血流を継続的に阻害します。
一方、柔らかすぎるマットレスは腰が深く沈んで脊椎のS字カーブが崩れ、腰まわりの筋肉が緊張したまま朝まで過ごすことになります。
どちらのケースでも、筋肉と関節への継続的な負荷が翌朝の固まりを生み出します。
一般的なマットレスの耐久年数はスプリング系で約8〜10年、ウレタン系で5〜8年が目安とされています。
この期間を過ぎると体圧分散機能が低下しており、見た目に問題がなくても体への影響が出ている可能性があります。
「10年以上同じマットレスを使っている」という方は、機能面からも見直しを検討する時期です。
マットレスを見直すべき状態のセルフチェック
以下のうち2つ以上に当てはまる場合は、マットレスが朝の固まりに関与している可能性があります。
- 同じマットレスを5年以上使用している
- 寝転んだときに腰の下に大きな隙間がある、または腰が深く沈みすぎる
- 寝返りを打つとマットレスがきしむ、または大きく沈む
- 朝、腰・肩・首のどこか特定部位だけが特に痛い・固まっている
- ホテルや実家など別の場所で寝ると朝の固まりが軽い
特に最後の「場所を変えると楽になる」という経験がある方は、睡眠環境が原因である可能性が高いです。
「買い替えが必要か」の判断より先に、まず「今の状態を確認する」という視点でチェックしてみてください。
自分に合うマットレスの選び方【体型・寝姿勢別】
マットレス選びで最も重要な基準は「体圧分散」と「寝返りのしやすさ」の2点です。
この2点を満たすマットレスは、肩・腰への負荷を分散しながら、スムーズな寝返りで血流の停滞を防ぎます。
体型と寝姿勢によって適切な硬さが異なるため、以下を参考に選んでください。
- 体型別の目安
体重が重い方(目安:70kg以上)は、沈み込みすぎないよう「やや硬め」が基本です。
体重が軽い方(目安:50kg以下)は、突出部への圧迫を避けるために「やや柔らかめ」が適しています。
中間体型の方は「普通〜やや硬め」が多くのケースに対応します。 - 寝姿勢別の目安
仰向け寝が多い方は腰のS字カーブを維持できる「普通〜やや硬め」が適切です。
横向き寝が多い方は肩・腰の突出部の圧力を分散する「やや柔らかめ」が向いています。
うつ伏せ寝は腰への負荷が大きくなりやすいため、「やや硬め」で腰の沈み込みを防ぐことが重要です。 - 仰向け寝が多い方は腰のS字カーブを維持できる「普通〜やや硬め」が適切です。横向き寝が多い方は肩・腰の突出部の圧力を分散する「やや柔らかめ」が向いています。うつ伏せ寝は腰への負荷が大きくなりやすいため、「やや硬め」で腰の沈み込みを防ぐことが重要です。
ポケットコイルスプリングは点で体を支えるため体圧分散に優れ、寝返りもしやすい特徴があります。
ウレタンフォームは体のラインに沿って沈み込む一方、反発力の低いものは寝返りがしにくくなるため、高反発ウレタンを選ぶことをおすすめします。
低反発ウレタンは肩や腰への圧力を逃がす効果がありますが、寝返りのしにくさがデメリットとして挙げられます。
腰痛対策の改善用マットレスとしてたくさんの口コミがある【モットン】 その秘密は高反発マットレスで腰の負担を減らして腰痛の改善効果があるようです。 果たして本当に口コミ通りなのか? 少々信じられないのも当然です。 そこで、 …
朝の固まりを左右する枕の選び方
枕の高さが合っていないと、睡眠中に頚椎(首の骨)が不自然な角度で固定され、首まわりの筋肉に持続的な緊張がかかります。
これが朝の首・肩の固まりやバキバキ感の直接的な原因になります。
- 高さの目安
仰向け寝では首の自然なカーブを保てる高さ(一般的に3〜5cm程度)が適切です。
横向き寝では肩幅の厚みに相当する高さ(一般的に6〜10cm程度)が必要になります。
枕が低すぎると頭が後ろに反りすぎて頚椎に負担がかかり、高すぎると頭が前に押し出されて首の後ろ側の筋肉に持続的な緊張がかかります。 - 硬さと素材の目安
首への負担を減らすためには、頭の重さ(約4〜6kg)を均等に分散できる適度な反発力が重要です。
柔らかすぎて沈み込む枕は首を支える機能が低下するため、ある程度の硬さが保てる素材(パイプ・ラテックス・高反発ウレタンなど)が向いています。
オーダーメイド枕は自分の肩幅・首の長さ・寝姿勢に合わせて調整できるため、長年悩んでいる方には試す価値があります。 - 枕の見直しサイン
同じ枕を3〜5年以上使用している、
起床時に特に首の固まりが強い、
横向きで寝ると肩が痛い
これらに当てはまる方は枕から見直すことをおすすめします。
マットレスより先に枕を変えるだけで朝の状態が改善するケースも多くあります。
【まとめ】朝の体の固まりは「原因の種類」によって対処が変わる
「朝起きると体が固まる」
「寝起き 体 バキバキ」
この原因は一つではなく、血流・筋肉タイプから関節疾患の可能性があるタイプ、局所的な問題まで種類が異なります。
「同じ症状でも対処法は人によって異なる」というのが、この記事でお伝えしたかった最も重要な視点です。
「血流・筋肉タイプ」と判断できた方は、今夜から取り組めることが3つあります。
寝る前の3箇所のストレッチと入浴タイミングの調整、
日中1時間ごとの姿勢リセット、
そして今使っているマットレスと枕の状態確認
です。
ストレッチや習慣を変えても改善しない場合は、毎晩使い続けている「睡眠環境という土台」を見直すことが次のステップになります。
体型・寝姿勢に合ったマットレスと枕の選び方はH2-6で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
1時間以上こわばりが続く「要受診タイプ」のサインに当てはまった方は、セルフケアより先に受診を検討してください。
朝のこわばりが1時間以上続く・関節が腫れている・症状が悪化しているという場合は、早期の診断が治療の選択肢を広げます。「大げさかな」と思う必要はありません。
「歳のせいだから仕方ない」と諦める前に、今日一つだけ確認してみてください。
長年続いている朝の固まりも、原因を正しく把握すれば改善できる可能性があります。
「朝、腰が痛くて起き上がれない」 あなたのその痛み、職業病だと思って諦めていませんか? 実は「合わないマットレス」が、昼間の疲労を翌朝まで持ち越させ、慢性的な痛みの原因を作っているかもしれません。 本記事では、毎晩の睡眠 …








